不動産用語集
あ行
空家に係る譲渡所得の特別控除
相続した空家の譲渡利益に対する所得税について、課税を軽減する措置。
課税の軽減は、譲渡所得を計算するとき、譲渡利益から3,000万円(譲渡利益が3,000万円未満のときはその額。令和6年1月1日以後に行なう譲渡で被相続人居住用家屋および被相続人居住用家屋の敷地等を相続または遺贈により取得した相続人の数が3人以上である場合は2,000万円まで)を控除する方法で行なう。
特別控除が適用されるのは、相続開始の直前まで被相続人が住んでいた居住用家屋とその敷地を譲渡する場合であって、相続が開始した日から3年を経過する日の属する年の年末までに譲渡するなど一定の条件を満たす場合に限られる。
なお、この措置については、適用期限が定められているので注意が必要である
位置指定道路
請負契約
当事者の一方がある仕事を完成することを、相手方がその仕事の結果に対して報酬を支払うことをそれぞれ約束する契約。例えば、住宅の建築工事、洋服の仕立て、物品の運搬などの契約がこれに該当する。
請負契約の目的は、仕事の完成であって労務の供給ではないから、仕事の目的物が定まっていて、通常は、目的物を引き渡すことで仕事が完成する。
請負契約については民法に一般的な規定がある。また、例えば建設工事の契約に関しては建設業法、運送契約については商法等のような特別法の適用がある。
民法は、
1)請負契約による報酬は目的物の引渡しと同時に支払わなければならないこと
2)引き渡した目的物が契約不適合の場合には、注文者は、補修等の追完請求、報酬減額請求、損害賠償請求、契約解除をすることができること(ただし、注文者の供した材料の性質または注文者の与えた指図等によって生じた不適合を理由にすることはできない。ただし、請負人がその材料または指図が不適当であることを知りながら告げなかったときは、この限りでない。)
3)契約不適合による請求等をするためには、原則として、不適合を知った時から1年以内にその事実を通知しなければならないこと
4)請負人が仕事を完成しない間は、注文者はいつでも損害を賠償して契約を解除できること
などを定めている。
なお、改正前の民法には、請負人の担保責任の存続期間について特別の定めがあったが、民法(債権関係)改正(施行は2020年4月1日から)によって改められた。ただし、住宅の新築工事の請負に関しては、特定の部位についての契約不適合責任の存続期間は10年とされている(住宅の品質確保の促進等に関する法律)。
か行
既存住宅売買瑕疵保険
契約不適合責任
売買契約や請負契約の履行において、引き渡された売買の目的物が種類・品質・数量に関して契約の内容に適合しない場合に、売主・請負人が買主・注文者に対して負うこととなる責任。債務不履行により生じる責任のひとつである。
買主・注文者は、契約不適合責任を負う売主・請負人に対して、履行の追完請求(補修や代替物等の引渡し請求)、代金・報酬の減額請求、損害賠償請求又は契約解除権の行使をすることができる。ただしこれらの請求等をするためには、原則として、不適合を知った時から一年以内に不適合である旨を通知しなければならない。
民法(債権関係)改正前は、売買の目的物に隠れたる瑕疵があったときの責任等について特別の規定が定められていたが、改正によってこの規定が削除され、隠れた瑕疵があった場合を含めて、目的物が契約に適合しない場合の規定に統合・整理された(改正法の施行は2020年4月1日から)。この統合・整理された規定では、引き渡した目的物が契約に適合しない場合には、引渡した者(売主・請負人)に履行の追完、代金の減額等の責任が生じることとなる。この生じる責任が契約不適合責任である。
なお、「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」とおおむね同義であるが、特定物(その固有性に着目して取引され代替性がない)の売買についてのみ使われる用語である。
建ぺい率
敷地面積に対する建築面積(建物の水平投影面積)の割合(%)。
例えば、敷地面積が100平方メートル、その敷地上にある住宅の建築面積が50平方メートルならば、この住宅の建ぺい率は50%ということになる。
建物の建ぺい率の限度は、原則として、用途地域ごとに、都市計画によってあらかじめ指定されている。
さ行
修繕積立金
管理組合が管理費とは別に共用部分や付属施設などの修繕を目的とした長期計画に従って修繕を実施するために、区分所有者から毎月徴収した金銭を積み立てたものである。
管理費と同様、一般的に専有部分の専有部分の面積の割合で月額料金が定められている。
セットバック
2項道路(建築基準法第42条第2項の規定により道路であるものとみなされた幅4m未満の道のこと)に接する場合において、建物を建築・再建築する際、道路の中心線から2mとなるよう敷地の一部を後退させることをいう。
なお、セットバックした部分は道路とみなされ、建物を建築することはできない。
専任媒介契約
相続登記の義務化
相続や遺贈により不動産を取得した相続人に対して、相続登記の申請を義務付ける措置。不動産登記法の改正によって義務化された(2024年4月1日施行)。
相続登記を申請しなければならないのは、相続(特定財産承継遺言を含む)や遺贈により不動産を取得した相続人で、申請は、所有権を取得したことを知った日から3年以内にしなければならない。この場合、遺産分割が成立した場合にはその内容を踏まえて申請するが、成立していない場合には法定相続分で申請してかまわない。
また、相続登記の義務化と同時に、正式の申請に代わって、相続した旨のみを申し出ることで申請義務を履行したものとみなす仕組み(相続人申告登記)が創設された。
相続人申告登記は、i)所有権の登記名義人について相続が開始した旨、ii)自らがその相続人である旨を、申請義務の履行期間内(3年以内)に登記官に対して申し出るだけで成立する。相続人が複数存在する場合でも特定の相続人が単独で申し出ることができ、法定相続人の範囲及び法定相続分の割合が確定していなくても構わないとされている。この場合、遺産分割が成立したら、成立日から3年以内にその内容を踏まえた相続登記の申請を行なうこととなる。
た行
仲介手数料
宅地建物取引業者を通して不動産を売ったり買ったり、あるいは貸したり借りたりする場合に、媒介契約にもとづき、宅地建物取引業者に成功報酬として支払うお金のこと。
媒介手数料(媒介報酬)ともいう。
長期優良住宅
長期にわたり使用可能な質の高い住宅をいう。
その具体的な基準は明確には定まっていないが、単に物理的に長寿命であるだけでなく、ライフスタイルの変化などへの対応、住環境への配慮など、社会的に長寿命であることが必要であるとされる。「200年住宅」ともいわれる。
長期優良住宅の開発・普及は、優良な住宅ストックを形成するための重要な政策の一つであると考えられている。
2008年には、長期優良住宅の普及のために「長期優良住宅の普及の促進に関する法律(長期優良住宅普及促進法)」が制定され、i)長期使用に耐える構造(劣化対策、耐震性、維持管理・更新の容易性、可変性、省エネルギー性、バリアフリー性)を備え、ii)居住環境、iii)自然災害への配慮、iv)住戸面積、v)維持保全計画について一定の基準を満たす住宅を認定する制度(認定長期優良住宅制度)が創設されている。
また、認定長期優良住宅の普及のために、税制上の優遇、容積率の制限緩和、超長期住宅ローンなどの措置が講じられている。
同時に、法律とは別に、長期間使用可能な住宅の先導的なモデルの開発や、住宅の建築確認、点検、保全工事などの情報(住宅履歴情報)を記録・保存する仕組みを整備し、その活用などによって優良な住宅の円滑な流通を促進することなども推進されている。
坪単価
面積1坪あたりの価格。土地の価格水準を示すときに使われることがある。1坪=3.3058平方メートル。
「坪」は日本で使われていた面積の単位で、1辺が1間(=1.8182メートル)の正方形の面積である。また、300坪が1段(反)(=991.74平方メートル)、3,000坪が1町(=9917.4平方メートル)である。
定期借家契約
平成12年3月1日の改正法施行により、借家契約時に貸主が「期間の満了により契約が終了する」ことを借家人に対して、公正証書などの書面を交付して説明する場合には、賃貸期間が終了すると借家契約も終了し、借家人は退去しなければならないとする契約。
原則として契約の更新はできず、再契約には貸し主・借家人双方の合意が必要である。
な行
2項道路
建築基準法第42条第2項の規定により、道路であるものと「みなす」ことにされた道のこと。
「みなし道路」とも呼ばれる。
建築基準法第43条では、建築物の敷地は「建築基準法上の道路」に2m以上の長さで接していなければならないと定めている。
ここでいう「建築基準法上の道路」は原則として幅が4m以上あることが必要とされている(建築基準法第42条第1項)。
しかしながら、わが国の現況では、幅が4m未満の道が多数存在しているため、次の1.~3.の条件を満たせば、その道を「建築基準法上の道路とみなす」という救済措置が設けられている(建築基準法第42条第2項)。
1.幅が4m未満の道であること
2.建築基準法が適用された際にその道に現に建築物が立ち並んでいたこと
3.特定行政庁(知事や市長)の指定を受けたことでの救済措置による道路のこと
これらを、その条文名をとって「2項道路」と呼んでいるのである。
こうした2項道路に面している土地については、道路中心線から2m以内には建築ができないという制限(セットバック)があるので特に注意したい。
根抵当
継続的な取引によって生じる不特定の債権を担保するための仕組みをいう。
契約によって極度額を定め、増減し変動する多数の債権について、極度額の範囲内で担保することができる。これらの債権は将来確定するものであるが、債権が消滅しても、根抵当権は極度額の範囲で存続することとなる。
根抵当が認められるためには、担保する債権の範囲および債務者をあらかじめ定めておかなければならず、根抵当権の対象となる債権は、
1.指定した特定の継続的取引契約または取引の種類から生じる債権
2.特定の原因によって継続する債権
3.手形・小切手債権
に限られる。例えば、金融機関との信用取引や商社等との継続的な購入契約により生じる債権がこれに該当する。しかし、一切の債権を一括して担保するような抵当権(包括根抵当権)は認められていない。
なお、根抵当の対象となっている債権が譲渡されたときには、根抵当権はこれをカバーしない(随伴しない)が、あらかじめ定めた期日の到来や取引の終了等によって元本(担保の対象となる債権)が特定されると(元本の確定)、通常の抵当権と同様、債権の移転とともに抵当権も移転することになる。
農地の売買・賃貸借等
農地(市街化区域内の農地を含む)を農地として売買、賃貸借等をする場合には、原則として、農業委員会(権利取得者が当該農地の所在市町村外に居住している場合は都道府県知事)の許可が必要である。
許可の要件は、権利取得者が、
1.農地のすべてを効率的に利用すること
2.個人の場合は農作業に常時従事すること
3.法人の場合は農業生産法人であること
そして、権利移動によって、
4.周辺地域における農地の効率的、総合的な利用の確保に支障がないこと
である。
ただし、農地の賃貸借については、継続的、安定的な農業経営が見込まれるなどの条件を満たせば、2.3.の要件は課せられない。従って、一般の会社やNPO等も、農地を賃借して農業経営に参加できる。
また、遺産の分割により、相続人等が農地を取得する場合には許可は不要である。
なお、必要な許可を得ないで農地の売買、賃貸借等を行なった場合には、その契約は無効となる(法律的な効果が生じない)。
は行
媒介契約
売買契約
当事者の一方が、ある財産権を相手方に移転する意思を表示し、相手方がその代金を支払う意思を表示し、双方の意思が合致することで成立する契約のこと(民法第555条)。
売買契約は諾成契約とされている。つまり、当事者の双方が意思を表示し、意思が合致するだけで成立する(財産が引き渡されたときに成立するのではない)。
また、売買契約は不要式契約なので、書面による必要はなく口頭でも成立する。
さらに、売買契約は財産権を移転する契約であるが、その対価として交付されるのは金銭でなければならない(金銭以外の物を対価として交付すると「交換契約」となってしまう)。
当事者の双方の意思の合致により売買契約が成立したとき、売主には「財産権移転義務」が発生し、買主には「代金支払義務」が発生する。両方の義務の履行は「同時履行の関係」に立つとされる。
返済負担率
住宅ローンの年間返済額が年収に占める割合。
返済負担率は、融資審査における重要な指標とされ、通常、基準が定められている。また、借り手が返済可能性を判断するために必ず確認すべき指標でもある。
例えば、代表的な長期固定型住宅ローン「フラット35」の借入限度額は、年収400万円以上の場合は返済負担率35%以下、400万円未満の場合は30%以下となる金額とされている(この場合の返済負担率は、住宅ローンのほか、自動車ローン、教育ローン、カードローンなどを含めた借入金の総額について算定される)。その他の住宅ローンでも、ほとんどの場合、返済負担率の限度が定められている。
なお、年収の変動、家族構成の変化などによって負担可能な返済負担率も変化するが、負担が過大にならないよう注意が必要である。
防火地域
防火地域は、都市計画で指定される地域であり、火災を防止するため特に厳しい建築制限が行なわれる地域である(建築基準法第61条)。
防火地域での建築規制は次の通りである。
1.すべての建築物は少なくとも「準耐火建築物」としなければならない。
2.次の1)または2)の建築物は必ず「耐火建築物」としなければならない。
1)階数が3以上の建築物
2)延べ面積が100平方メートルを超える建築物
ここで「階数が3以上」とは、地下の階数も含む。従って、防火地域内の地上2階地下1階の建物は耐火建築物とする必要がある。
延べ面積が100平方メートルちょうどであれば、上記2.には該当しないことにも注意したい。
なお、建築基準法第61条では、防火地域であっても次の建築物は「準耐火建築物」としなくてもよいという緩和措置を設けている。
ア.平屋建ての付属建築物で、延べ面積が50平方メートル以下のもの。
イ.門、塀
ただし上記ア.に関しては、外壁・軒裏を防火構造とし、屋根を不燃材料でふき、開口部に防火設備を設けることが必要とされている。
ま行
マグニチュード
地震の規模を表す量。地震波として放出されるエネルギーの量に基づいて算定され、観測地点とは無関係に定まる。一方、「震度」は、観測地点での地震動の強さを表す指標である。
マグニチュードの算定方法は、算定に用いる地震波の種類や周期などに応じて、表面波マグニチュード、実体波マグニチュード、気象庁マグニチュード、モーメントマグニチュードなどがあるが、いずれも地震波のエネルギー量を示すことは共通である。
例えば、観測史上最大の地震であるチリ地震(1960年)のマグニチュードは9.5、関東南東部地震(関東大震災、1923年)は7.9、兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災、1995年)は7.3、三陸沖地震(東日本大震災、2011年)は9.0であった(『理科年表』)。
マンション管理業者
マンション管理業を行なう者であって、国土交通大臣の登録を受け、マンション管理業者名簿に登録された者を「マンション管理業者」という(マンション管理適正化法第2条第8号)。
マンション管理業者は、その事務所ごとに、30の管理組合の事務を委託されるごとに1名の割合で、専任の管理業務主任者を置く義務がある(マンション管理適正化法第56条)。
マンション管理業者は、管理組合と管理委託契約を締結する際には、契約締結前の重要事項説明を管理業務主任者に行なわせる義務がある(マンション管理適正化法第72条)。
また契約成立時に交付する書面(通常は管理委託契約書を指す)には、管理業務主任者が記名する必要がある。なお、紙の書面に代えて政令で定めるところにより電磁的交付をおこなうこともできることになっている。(マンション管理適正化法第73条)。
マンション管理業者は毎年、管理組合等に報告を行なう義務がある(マンション管理適正化法第77条)。
未成年後見人
や行
家賃保証会社
賃貸住宅の賃借人が負う家賃支払債務について、連帯して保証する会社。
家賃保証会社の連帯保証責任は賃借人との保証委託契約によって成立する。委託契約の締結に当たっては、家賃保証会社が賃借人の家賃支払能力等について審査するのが通例である。
契約が成立すれば、賃借人は保証料を支払い、家賃保証会社は、賃借人が家賃支払債務に関して不履行が生じた場合に賃借人に代わって代位弁済する。この場合、代位弁済した家賃保証会社は賃借人に対する求償権を得ることとなる。
家賃保証は、従来、連帯保証人によることが多かったが、保証人に予期しない負担を負わせる可能性があること、保証人を依頼することが難しいことなどから、それに代わって、家賃保証を業務とする営業(保証ビジネス)が広まった。
家賃保証会社は、賃貸人の債務負担能力の審査、代位弁済した家賃の求償などを担うことから、健全な業務運営を確保し、賃借人の利益を保護する必要がある。そこで、国土交通省は、家賃保証会社が登録するしくみ(家賃債務保証業者登録制度)を創設した(2017年10月)。この制度によって、登録した家賃保証会社は、保証業務の実施に当たって、契約前の重要な事項に関する説明・書面交付、賃借人毎の弁済履歴を記録した帳簿の備付け、受領した家賃等についての自己の財産との分別管理、暴力団員等への求償権の譲渡等の禁止などのルールを遵守しなければならないとされている。
ようかん型マンション
横長・直方体の建物を縦方向に直線で区切って、各住戸にする方法で建設されたマンション。住戸が直線状に並ぶかたちになる。
ようかん型マンションは、建物のかたちがシンプルで、敷地を効率よく利用でき、施工しやすく、維持管理もしやすいとされ、広く採用されているかたちである。一方で、住戸の間取りが画一的になりやすい、建物デザインの自由さに乏しいなどの難点があるとされる。
ら行
リースバック
礼金
建物の賃貸借契約を新規に締結する際に、借主から貸主に対して、契約締結の謝礼として支払われる金銭。将来契約が終了し、退去する際にも、借主に返還されない。
わ行
分かれ
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